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「行為」の美学

Life Heart Message 2018.9. 3

 

「人生を理解するには過去を見つめるしかないが、人は前を向いて生きるものだ」と言ったのはキルケゴールであった。アメリカの心理学者アイラ・プロゴフは、「自分の人生の主な出来事を「飛び石」に見立て、リストを作ることを提唱し、人生の年譜を飛び石リストによって本当の自分を浮き彫りにし、変化と成長を知ることが出来ると言った。自分を客観的にとらえることができるようになり、前の飛び石(願望)から次の飛び石(願望)へと発展していく。

 

そのためにも、手本とする人(師)の存在は、人生に大きな影響を与えるものである。

途方にくれた時、感銘を受けた師の言葉によって導いてくれる。「もしそれが終生をつらぬく「人生の師」であったら、それはこの世の最大のしあわせ・・・・であります。……真に生きた「真理」というものは、これを生み出した人自身によって語られ、さらにはその人が、その体を通して実践せられるのを、眼のあたり見るのでなければ、真の趣は分り難いからです。……生きた真実の「真理」というものは「師」を通じて初めて身に沁みて分かるわけであります」と申されたのは哲学者森信三先生の言葉であります。

 

どんな人にも平等に「時」は刻まれている。人生の時間には限りがあり、それをどう使うかが大切であり、瞬間の積み重ねが永遠の「時」を作っている。そしてその瞬間の「質」は、我々の一瞬一瞬にどれだけ多くの意識を向けることができるかによって決まるものである。そのためには、常に自分の心を磨き、開いて、多様な物事を観察し、理解し、感動できるようにすることである。

 

アリストテレスは、「注意深く観察をする能力が発達すればするほど、幸せになる能力が発達する」と述べている。人生は、その一瞬一瞬が驚くべき発見に満ちあふれている。自らの感性や感覚、持って生まれた想像力や創造力をはっきりと意識し、内に秘めている可能性を開花させる生命の力が、誰びとの中にもある。

 

人はみな、人生を美しくする力を持っている。人生とは生命の壮大なシンフォニーでもあり、研ぎ澄まされた五感は、より多くの喜びの泉となり、より深い深淵なる尊極の世界へと誘う力を持っているからである。今この瞬間の考え方や語る言葉が自身の未来を作っている。「日々、人生は選択の連続であり、数々の決断によって価値と尊厳に達する」とロロ・メイは言う。風変わりなカモメのジョナサンにとって重要なのは、食べることよりも飛ぶことそれ自体だったのだ。

 

リチャード・バックは言った。「きみに必要なのは、毎日すこしずつ、自分が真の無限なるフレッチャーであると発見しつづけることなのだ。そのフレッチャー(矢を作る人)がきみの教師だ。きみに必要なのは、その師の言葉を理解し、その命ずるところを行うことなのだ」世の中に貢献する方法は数多くある。「行為こそがその思考をもっとも的確に代弁するのだ」―――ジョン・ロック